私共の蘭園は茨城県神栖市、いわゆる鹿島臨海工業地帯にあります。私の栽培所からも、5〜6km先に工場の煙突が林立しているのがよくわかります。夜になると炎の煙突や煙を出している煙突、工場の明かり等々工業地帯特有の雰囲気をかもしだしています。海抜5m程度の場所ではたしてリカステが作れるのだろうか?という疑問とチャレンジ精神で栽培を始めました。現在でもそうですが、昔は山上げをしないと作れないというプロの方達が大多数でした。誰も低地で作ってみようという方がいませんでした。いまだに「山上げをしました」、とか「山から下ろしてきました」という話が多く聞こえています。少々残念な気がしています。趣味者の人たちは皆さん平地に住まわれています。そこで栽培できないのはおかしい気がしませんか?
私の栽培所内は夏一か月ほど38℃を超える日が続きます。夜温27℃です。ここで作れなければ、リカステはマイナーになるばかりそう思ってこの場所で栽培することにしました。今のところ、大輪系はなんとか・・・。小輪系は十分に栽培できています。リカステは決して高山植物ではありません。特に小輪系はそう思います。さらにこの低地での栽培所で育種という作業で、十分に咲く品種を作出し、もっと作りやすい品種、もっと良形の種を作出したい、そんな思いで日々研鑽を重ねています。 お近くに来られるようであれば、ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか。
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