Last updated: 2008/11/28
LYCASTE SPECIES
リカステの原種

 
 

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1  リカステの原種概要
2006.11.05 Sun.
リカステの自生地は殆どがメキシコからペルーいわゆる中南米、熱帯アメリカといわれる地域です。標高3000m〜海抜0mの幅広い標高差があります。Lyc skinneriの様に3000m級の雲霧林に自生しているものから、campbelliiのような低地に自生しているものまで、種の数は自然交雑種、あるいはその亜種を含めると50種程度の属になります。
大きさも花径12cmのskinneriから3cm程度のcampbellii、常緑種や落葉種・・。有香、無香、開花時期も早春から晩秋まで1年を通して楽しめるともいえます。私の作った交配種でも年に2度咲くものがかなりあります。それらも含め少しずつ紹介していきましょう。まずは原種から・・・。ただし画面に制限があるようなので詳細を知りたい方はメールでお問い合わせください。
 

2  Lyc.aromatica (アロマチカ)
2006.10.31 Tue.
この植物はメキシコで最初に発見され、時の統治者ネイピア将軍によりスコットランド、エディンバーグの植物園に送られ、1826年5月に開花した。当初Drグレビル、グラハム両氏により挿絵が作られ、フーカー氏の元に資料と一緒に送られた、彼はDrグラハムの名でエキゾチックフローラ誌にマキシラリア(Max) aromaticaとして掲載した。1843年植物学者リンドレイ氏によりLyc aromaticaとして発表された。メキシコ、ニカラグァが主原産地で標高1500mの雲霧林に着生している。黄色の落葉性の多花性リカステで花径は6cm程度シナモンの香りが強い。非常になじみの深い植物ですが、自生地ではバルブが10cm程度になるのですが、温室ではなかなか大きくならないと言われています。登録されているこの種の直系種は現在16種程度です。標準植物はメキシコのエルスミデロ産ということです。私の温室では多少他の産地より早く咲くような気がします。

3  Lyc.brevispatha (ブレビスパーサ)
2006.10.29 Sun.
この植物は1851年Klotzsch氏によりMax, brevispathaとして発表された。この種の命名には色々な葛藤があったようです。同年リンドレイは最初Lyc leucanthaのバラエティにふくめたが、非公式名でLyc candidaとしていた。がしかし包葉が短いという疑問があって。1852年文字通り包葉が短いと言う意味のLyc brevispathaと言う名がつけられた。自生地はパナマ北部太平洋側の斜面、コスタリカ中南部、標高1200m〜1800mの雲霧林の水辺の落葉樹の幹に着生している。花径は6cm程で色は地味な赤色のものが多い。葉の長さは30cm程でリカステにしてはやや細長い。関連図書には半落葉性としているが私のは完全に落葉します。開花期は4〜5月です。この種の直系種は現在9種が登録されています。大変可愛い個性的な花で育種のターゲットとしてもってこいの花だと思います。私はこの花の交配種でアルプスの少女ハイジシリーズを作っています。

4  Lyc.campbellii (キャンベリー)
2006.10.30 Mon.
南米パナマ運河地帯のパーラス諸島のサンホセ島でジョンストン氏により1946年1月に採集された。川辺の折れた太い枝に着生していた。落葉していたが、開花中だった。その植物の分け株はウイリアム ウェスレー キャンベル市長によって栽培された。彼はその標本をエイムズ標本館に寄贈した。1949年そこでの記録があります。1960年代、米海軍中佐ロバート ブェイルの記述によると「サンホセ島の湿地帯の良く茂った木の幹で成長していた」とあります。落葉性、無香、黄色の3.5〜4cmの大変小さな花を初春新芽の成長とともに数多く咲かせます。私の温室では3〜4月に咲きます。大変個性的な花で、これを使って6種ほどの登録品種があります。香りがあれば・・。と思って現在育種をしています。結構暑さに強い品種が出来ています。

5  Lyc.candida (キャンディダ)
2007.02.25 Sun.
パナマ、ニカラグァ、コスタリカの標高800m〜1000mの山岳地帯の雲無林に着生している種です。花は白っぽい緑色、若干ピンクを帯びたもの、があります。前述のLyc brevispathaに似てはいますが、判り易い外観の違いは花茎が若干長いのとリップの形状です。植物学的にはカルス(リップにあるこぶ)やキール(カルスの奥にある溝)の数や長さで判別しているようです。無香とされていますが、なんとなく埃っぽいクリームパウダーのような匂いがします。 自生地では半落葉性とされていますが。私の温室では落葉し、brevispathaよりも少し遅れて咲きます。直系の種は現在まで9種が登録されています。この花もやはり個性的で可愛い花ですがこの花を親にして交配すると緑色の強い固体が多く出ると言う結果が出ています。 


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